気軽に読める歯科就活の読み物

ブランド的な歯科医院のつくり方

更新日:

はじめに

歯科医院間の競争が激しくなっている昨今、これから生き残れる医院はどういった医院かと聞かれたら、ブランドを持っている医院だと答えます。

ブランド」なんて特別な医院だけのものと思われますが、どの医院でもブランドを持つことは可能だということを説明していきます。

1、「ブランドとは……」

今後歯科医師は増え続け、保険点数は下がっていき、日本の人口は減少していきます。
その結果、歯科医院経営はどうなっていくのでしょうか。
全ての歯科医院の売上げが、均等に減ってくると考えている方が大半でしょう。

しかしそういう状況でも、売上げを上げ続ける1割の歯科医院が1人勝ちをして、残りの9割の歯科医院の売上げが減ってくるのです。
よく言う2極化が進むのです。

この1割の勝ち組歯科医院は、そういう状況を逆手にとって、どんどん伸びていき、逆に負け組歯科医院は、倒産していくぐらいの立場になってしまいます。
その1割の歯科医院は、どんな歯科医院なのでしょうか。

一言で言えば、〝ブランド〟を持っている歯科医院です。
ブランドがあるクリニックだけが、これから生き残れるクリニックの必要条件なのです
ブランドのあるクリニックは、遠方からも患者さんを呼べる為、近所に歯科医院ができても影響を受けずにすむのです。

これは美容院、ラーメン屋、レストランなどを見ても明らかです。
過渡競争が進んでくると、特別に特徴のないお店では、カットの腕が良かろうと、ラーメンや食事がおいしくても、負け組に属するようになるのです。

これは、「ブランド」を持たないが為の結果なのです。
ブランドは持とうと思わなければ、持つことはできません
ブランドはいつの間にか、自然に、くっついてくるものではないのです。

これからの時代、ブランドを持てるように仕掛けていかなくては、負け組歯科医院になってしまいます。
何事も、先んずれば人を制すのです。
1日も早くトップ10%の仲間入りをして、今後の厳しい状況を、楽観視できる立場になってください。

2、ブランドとはイメージ作りである

人はイメージによって行動を起こします。
芸能人が行ったレストラン」→芸能人にはいろんな情報が入っていて、その中で選ばれたお店だから、おいしいに違いない。
しかし実際には、芸能人は、同じ仲間がいるから気兼ねしなくていいから、行きやすくて、よく行っているだけかもしれません。

テレビで紹介されたお店」→テレビというのは、公共の立場にあるのだから、テレビで紹介されるということは、味は勿論、全ての面で素晴らしいから紹介されているんだ。
しかし、テレビ局の人も、全ての情報を調べて、取材に行っているわけではありません。
お店の人が、自分から売り込んだかもしれませんし、HPを見ていて、たまたまひっかかったとか、知り合いだとか、たまたま他局に出ているのを見たからとか、その評価は絶対的なものではありません。

行列のできるラーメン屋」→行列ができるということは、おいしいからであって、今度並んでみよう。
勿論、とてもまずいということはないかもしれませんが、味はよくわからないけど、行列ができているから何となくおいしく感じる、というレベルの人も多いと思います。
自分の味覚で判断して、おいしいというよりも、多くの人が認めている味なのだから、おいしいと感じようと思っている人も多いでしょう。

「ルイ・ヴィトンだからいい物に違いない」と思っているだけで、本当に長くもったとか、デザインがいいと実感していないのに、イメージだけで買っている人が殆どではないでしょうか。

3、イメージ作りのうまい人が成功する

成功している人間を観察していますと、イメージ作りのうまい、プロデュース力のある人間が成功しているように思います。
自分や自分のクリニックが、患者さんからどう思われたいかということをきちんと認識して、そういう風にイメージしてもらうためには、どういう振る舞いをしたり、どういう説明をしたらよいかということがわかっている人間は、必ず伸びています。

流行っている医院のイメージを作りたい人は、そういうプロデュースをすればいいですし、高級なクリニックのイメージを作りたいなら、それなりのアプローチをしていかなければなりません。

もちろん、今のクリニックのレベルによって、いきなり別世界のイメージを作り出すことは難しいですが、今のレベルより1段階か2段階上のイメージアップの戦略を立てていくことは、不可能なことではないでしょう
10人患者さんが来る医院では、1日20人来ているイメージ作りをし、1ヶ月300万円の売上のクリニックは、1ヶ月400万円のクリニックであるイメージ作りをする工夫をしていくのです。

それを自然な形で患者さんにアピールし、それが現実に達成されれば、次は次のステージのイメージアップを計っていく繰り返しで成長していくのです。
そうして少し上をイメージさせていくことで、後になって振り返ってみると大きく飛躍していることに気付いたりするのです

経営においても人間形成においても、少し背伸びをして頑張ることが大切で、そのためにお客様には背伸びをしていることに気付かれない、自然なアピール方法を身につけている人が成功するのです。
真面目な人は逆に1日10人患者さんが来ているのに5人しか来ていないイメージを与えたり、1ヶ月300万円の売上があるのに250万円ぐらいのクリニックであるようなイメージを与えているのが、とてももったいなく思えてしまい残念でなりません。

4、ブランドは1日にして成らず

経営をしていく上で、一番大切なのはイメージブランドなのです
実際の技術や評判がどうであるかということよりも、お客様はどういうイメージでそのクリニックを見ているかということの方が大切なのです。
ルイヴィトンの鞄が1ヶ月でダメになっても、購入者はたまたまだろうと思ってくれるのが、無名の鞄が半年でダメになったら「やっぱり安物はすぐにダメになってしまうわ!!」ということになってくるのです。

流行っているイメージの歯科医院で、親知らずを抜いて痛くても、あそこで抜いて痛いのなら、他へ行っても同じように痛いだろうと思ってくれますが、ガラガラのクリニックで少し痛いだけでも、他の流行っているクリニックだったら、もしかしたら全然痛くなかったのではないかと疑ってしまうものなのです。

行列のできるお店で、あまり美味しくないと感じても、自分の味覚が少し他人と違うのかなと、あまり他人には「あそこはまずかったよ」とは言わないものですが、ガラガラのお店で美味しいと思っても、「たまたまなのかな?」とか「俺の味覚が変なのかな?」と悪い方に考えてしまいがちなのです。

こういったお店やクリニックのイメージ作りというものは、一朝一夕にはできあがるものではありません
院長が意図的に作ろうとして作っていかなければ、良いイメージというものは、いつの間にか勝手にできあがるものではないのです。
中身や実力をアップする努力は殆どの人がやっています。

しかしイメージアップの為の努力は、殆どの人がしていないから、努力しても努力に見合った結果が出てこないのです。
何をしたらどういうイメージがもらえるのかということを考えながら作戦を立てていくことが、積もり積もって、年月とともに大きなブランドという形になってくるのです。

☆まとめ

いかがでしたでしょうか?

ブランドと聞くとほとんどの医院では「うちとは無縁のこと!」と諦めているクリニックがほとんどですが、その医院を選んで来院されている患者さんがいらっしゃるということは、その患者さんにとっては、通っているクリニックは特別な医院であり、選ぶ理由があるのです。

ブランドとは、「あっ、あの医院ね!」という「あの」で通じる何かがあったり、自分にとっての特別な通う理由がある医院のことであり、どの医院にもそういう特別な理由があるものでその「特別な理由」を意識して伸ばしていった医院がブランドの医院になっていくのです。


監修者紹介

南青山デンタルクリニック、銀座青山You矯正歯科 総院長青山健一の紹介。プロフィールや主な著書、マスコミ履歴など

続きを見る

  • B!